UX Strategy Lead, Publicis Groupe, Experience.Lab
Carmina Correa
Talk
‘The System Said No.’ Designing Ideas That Survive Risk-Averse Environments
「システムがNOと言った」——リスク回避的な環境を生き抜くアイデアのデザイン
「いいアイデアですね! でも……前例はあるんですか?」 デザインの文化は大胆なアイデアや慣習への挑戦を称える。しかし日本を含むリスク回避的な環境では、変化は機会であると同時に潜在的なリスクでもあり、安定と予測可能性こそがシステムの提供すべきものであることも多い。とはいえ、地震や津波に備えてインフラを絶えずつくり変えてきた国が、変化を嫌っているわけではない。問うべきは、何がそのリスクを冒す価値をもたらすのか、だ。文化を越えた経験と、UX・UI・プロダクトデザインにおける「これはOK、これはNG」の実践例をもとに、Mina は優れたユーザー中心のアイデアでさえ日の目を見ないのはなぜか、そしてイノベーションに“イエス”と言いやすくするにはどうすればよいかを探る。デザイナーの仕事は、より良い体験を構想するところで終わらない。それが実現するための条件をもデザインしなければならないのだから。
Profile
Carmina “Mina” Correa はチリ出身で、東京の Publicis Groupe Experience.Lab の UX ストラテジーリード。新しいテクノロジーによって制作が加速する時代にあって、自動化しにくいもの——デザインを支えるべきシステムの中にデザインを賢く位置づけるための人間の判断——の重要性を説く。組織の抵抗をくぐり抜け、ときには誰もが避けたがる問いを投げかけることも厭わない。“永遠の外国人”という視点を大切に、身の回りのシステムの暗黙のルールや矛盾を深く理解することで、意味のある変化を可能にしようとしている。デザインは人類の最も重大な課題の中心にあるべきだという信念は、東京大学大学院で津波避難のプロセスをユーザー体験の視点から研究した時代にさかのぼる。